苦しい走り なんとか (その2)

70代 ジョギング愛好ジイ ハーフマラソンに挑む (その2)

 

苦しい走りが続き8㌔ぐらいきたところ何と眼前には7度ぐらいの急坂だ。ノロノロと走るが息が苦しい。この坂をノロノロ走って登り切れそうだが登り切ったところで力尽き、このレースはここでジ・エンドになる。そうはなりたくない。そのためには体力温存で歩こう。周囲を見ると多くのランナーが歩いている。坂を登り切ったところからは今度は一気に下りだ。反対車線を折り返しをすぎ先行するランナーたちが懸命に上ってくる。みんな苦しそうだが、この人たちはハーフ2時間切りか前後のランナーたちだろう。昨年前半までの僕ならあのグループにいたはずと思いつつ、ここは昨年晩秋 肺炎になり、おまけに軽いたばこ肺を指摘された今はなんとかリハビリして、あのグループに戻れるよう頑張るしかない。

 坂を下って下って、やがて折り返し。再び反対車線を見ると僕の後ろにはもはや20人程度だ。体は依然重いし息も楽ではない。それでも時々 沿道に立つ人たちから「お父さん頑張れ!」「爺さん頑張れ!」の声に背中を押されのろのろと進む。給水の人たちにも感謝 感謝、そして励まされ またのろのろ進む。

 17㌔前後になると沿道から「ゴールできるよ」「ラストラン」「ナイスラン」の声が飛ぶ。しかし、このころになると軽い脱水症状か景色や道路がぐにゃりと歪んで見えることも。顔からは塩が吹き出ているのか顔に手をやるとサラサラしている。

 19㌔、時間制限までおよそ15分。やはり沿道に立つ中年女性から「おじさん、いけるよ時間内ゴールできるよ。もうひと踏ん張り」と大きな声と手拍子。もう「走れコータロー」ならぬ「走れジジイ」と自分を鞭打つ。右に曲がって左に歩を進むとぼんやりとゴールらしき塊が見えてくる。マイクを通して「ラストラン 頑張れ あと10分」の声が響く。足をもつれさせながらも、ついに足許のラスト計測器を踏んだ。ゴールできたのだ。足許はフラフラ、呼吸はゼイゼイ。でも立っていられる。昨秋 肺炎と軽いたばこ肺を経てから二度目のハーフ完走だ。これも自分の周りや大会関係者 沿道の応援のおかげだ。

 しかし、そんなに苦しい思いしてなぜ走る。よく分からない ただ弱い自分に負けたくないのか それとも走るのが好きなのか

とにかく分からないが いずれにしても時間内にゴールできてよかった。次はもっと苦しまず走れるようさらにリハビリだ。ケガも病気もなくなんとか完走 フー。白犬に報告しなきゃ。